忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


2024/04/19 21:10 |
筏との出会い

(筏航海をするきっかけと出会い)

■アルゼンチン人 フォアキン・ゲレロイ氏との出会い

f3e96fd4jpegペルーで日本教師をしていた時、日本人女性留学生に
会い、彼女のホームスティ先の方が新聞記者をしており、
かつて取材したというアルゼンチン人の
フォアキン・ゲレロイ氏を紹介してもらいました。
フォアキン氏は、1956年にカントゥータ号(筏)でペルー
-ポリネシア(タヒチの近く)までの航海を成功させて
いました。船員は4名、約8000Kmの航海だったそうです。

※フォアキンオジイちゃん、とても可愛い
彼から、筏という丸太を合わせただけの乗り物で航海する魅力を語ってもらいました。
フォアキンオジイちゃんの冒険もさることながら、その人柄と魅力に、すっかりはまって
しまいました。


■エクアドル人 マルコス氏との出会い
フォアキン氏との出会いの後、エクアドルへ出向き現地で日本のツアー会社をされている方
と知り会いました。
この方は、かつて堀江謙一氏のアルミ缶筏の太平洋横断プロジェクトに協力しており、同じく
プロジェクトの協力者であったヨットクラブの会長を紹介してもらいました。
その会長の親戚で、エクアドルの海洋歴史研究所所属のマルコス氏に出会い、彼の学説を
知ることになりました。

マルコス氏の学説とは、古代バルディビア時代(日本では縄文期)、バルディビア人
(エクアドル人)は筏という乗り物を使い、スポンディルス貝を用いた交易を行なっていた、
というものです。
その説の立証のためには、
・バルディビア時代の筏を復刻し操縦性の確認をする
・その筏に乗りエクアドルーメキシコ間の航海が可能か確認する
上の2つが行われる必要がありました。

■「バルディビア50周年記念祭」
平成18年8月、バルディビア50周年記念祭がエクアドルで行われ、偶然にも参加することになり
ました。
この祭典は、50年前に故エミリオ・エストラダ氏がエクアドルにある遺跡から土器を発掘したことを
記念して行われました。
エストラダ氏の発掘した土器とは、実は日本の縄文時代の土器に酷似しており、それに気づいた
氏はベティ・メガーズ氏(アメリカ・スミソニアン研究所所属)に協力を求め、調査が開始されました。
これら土器の類似性は、果たして偶然なのでしょうか。

ベティ・J・メガーズは、研究の結果、九州におけるアタカ・ソバタ、そしてイズミの縄文早期・前期の
遺跡においてバルディビアの特徴が集中して存在しているとし、また次のように言っています。

「 もしそれらが六千年前の太平洋横断の成功の産物であるとしよう。何しろ、そのときの舟は
  ずっと原始的であった頃のことだから、はるか後世の文明化された(東南アジアなどの)
  アジア社会の人々にそのような航海ができないなどとどうして言うことができるだろう。 」

それに対して、縄文人南米渡来説の反対論者は次のように主張しているようです。
「 大洋を越えるには、おそらく一年以上かかっただろう。
  だから、それに耐えて生き残っている者など、いなかったはずだ 」

学説では、古代縄文人の航海技術が争点となっているようです。

■バルサ材の提供とNGOの設立

上の学説を知り、ますます筏について強い興味を持ち始めた頃、エクアドルで農場を営む
スイス人の方から、筏の材木となるバルサ材を提供してもらうことが出来ると知り、早速
訪ねてバルサ材を頂くようお願いし、実証航海するため、筏の建造に踏み切りました。 

その後、エクアドルで、現地の協力者の人達と共に筏の文化を保護する活動や、環境保護に
ついての活動をするNGO(エクアドル政府認可)を設立し、現在に至っています。



(実証航海の意義について)

今まで、マルコス氏の学説やエストラダ及びメガーズ氏の学説を立証するような、筏の建造も航海も
行われていませんでした。

私が実証航海に意義を感じているのは、第一に初めて歴史の実証をすることですが、それ以外に、
今現在において ” 新しいものを作る ” ということだと考えています。

単に歴史の過程をなぞる、ということだけでなく、プロジェクトを行うことによって学説では語られて
いない新しい発見や、最古の乗り物である筏を通して未来への価値を見出せると考えています。

協力してくれる人達と、このプロジェクトをやり遂げ、成功させるのだという気持ちでいます。

紀元前3000年頃に使われていた筏が、今再現されることによって、5000年前の人々のメッセージが
受け取れればいいと考えています。

それは環境についてであったり、利便性についてであったり、当時の航海術であったりするかもしれません。
いずれにせよ、このプロジェクトを行うことは、古い筏を作るということではなく、協力者と共に
” 新しいものを作る ”ということに価値があると考えています。

PR

2007/02/04 23:02 | Comments(9) | TrackBack() | 筏との出会い

| HOME |
忍者ブログ[PR]